第66章 愛するがゆえに〈猿杙大和〉
その日の昼休み。
私は同じマネージャーのかおりと雪絵と相談も兼ねて屋上でお弁当を食べていた。
「もう…なんでバレー部のみんなは私のことからかったりするの?」
か「別にからかってはいないと思うけど…。」
「だって今日スコア書いてたときも、赤葦が『そこ間違ってますよ』とか言ったから慌てて消そうとしたら、『冗談です。』とか言われるし、鷲尾くんもダンボール持とうとしたら、『黒羽は小さくて弱そうだから俺が持つ』とか言うし……!」
お弁当のおかずをモグモグと食べながら話す。
か「んーでもそれは愛されてるってことじゃない?妹とかそう言う感じで。っていうか、鷲尾のは親切じゃん。」
「余計な一言があるんだよー!小さくても弱くはないもん!」
か「でもまぁーあんまり気にしなくていいんじゃない?朱鳥ってちっこくてマスコットキャラみたいだし。好意に思っときなよ。」
雪「そーそー、部に入ったばかりだから、からみたいんだよ~。」
「…もーこっちの身にもなってよ……。」
相談に乗ってもらおうとしたけど、二人はあんまり同情出来ないようだった。
か「はいはい。」
雪「……で?」
雪絵の言葉に私は首をかしげた。
「ん?」
か「とぼけないの~他に相談あるんでしょ?」
「な、なんでわかったの!!?」
私は思わず飲んでいたお茶を吐きそうになった。
雪「まぁー何となく~」
か「女の勘ってヤツね。」
……さすが、恋に敏感な女子高生。
侮れない。