第66章 愛するがゆえに〈猿杙大和〉
「…はぁ……じゃあ言うけど。実はさ……や「「猿杙のことでしょ?」」!!?」
私が大和の名前を言おうとしたら先に二人に言われてしまった。
雪「あ、やっばり~~。」
か「朱鳥ってわかりやすいよね~。」
二人は面白そうに笑って顔を見合わした。
「わかってるなら言わせないでよっ!!」
か「あはは、ゴメンって!で、好きなんでしょ?告白しないの?」
「……う……うーん。したいけど、なんか結果目に見えてる気がして。」
かおりにそう言われて私は方を落とした。
雪「えーなんで?」
「だって、大和もみんなと一緒で、からかったり、いじってきたり未だにするんだもん。きっと幼馴染みって関係以上のこと考えてないんだよ。」
だって、普通好きな人とかいたら相手が嫌がることなんてしないでしょ?
か「ふーん。でも猿杙の場合は他の"妹"とか"マネージャー"とかの気持ちじゃないと思うけど。」
「え?じゃあどういう……。」
「あ、いたいた。何話って?」
かおりなら聞き出そうとしたとき、屋上のドアの方から聞き慣れた声が聞こえてきた。
それは……大和だった。
か「じゃあ本人に聞いてみれば?」
雪「アタシ等は先戻ってるから、後は二人で~!」
そう言うと、二人はさっさとお弁当を片付けて、大和の横を通りすぎて言った。
「は?ちょ、ちょっとっ!!!?」