第65章 あなたの好きなとこ〈花巻貴大〉
*朱鳥
兄「大丈夫か?朱鳥?」
「あ、うん平気。ちょっと二人が言い争っててビックリしちゃっただけ。」
学校から少し離れたところでそう兄に言われて頷く。
「まぁあんまり気にするな。」
気をかけてくれる兄の言葉は安心して、二人を止めようとしていた焦りや不安が治まった。
「うん、ありがと。…それにしても、貴大くんもあんなに本気にならなくてもいいのにね。」
兄「何?あんな風に言われて嫌なの?」
兄の質問に私は首を振る。
「別に嫌じゃないけど、ちょっと子供っぽいって思ちゃった。」
兄「へーそう思うんだ。」