第63章 奇跡のような恋〈黒尾鉄郎〉
黒「あーそうだったかもな。でも俺は黒羽のことよく知ってるぞ。真面目で優等生で回りが嫌がることを文句も言わずにやるスゲーやつ。」
「そ、そんなことないよ!私なんか友達少ない、やりたくないこともあるけど、言い返せないだけだし…。」
黒「でも、ちゃんとやるだろ?偉いって。」
「そうかな……ありがとう。」
助けてもらったうえ、こんな風に思われてたなんて本当に嬉しかった。もう、死んでもいいってぐらい幸せだった。
私がそんなことを思っていると。
黒「なぁ、黒羽って大学どこ行くの?」
そう、黒尾くんが聞いてきた。
私は一瞬ビクッとしてから、
「…一応K大。」
と答えた。
黒「マジ?俺もK大狙ってるのんだけど。」
知っている。
ここだけの話、私がK大行こうとしたのは黒尾くんがそこを受けるって噂で聞いたから。
黒「そうなのか?でも黒羽は余裕だろ?俺はもうちょい頑張らないとやべーだよな。」
「じゃあ……勉強教えようか?」