第62章 夏と野球とバレーボール〈菅原孝支〉
「こんな時に嘘つくほどバカじゃないよ…。」
黒羽は頬を赤くして俺から少し目を反らした。
菅「でも何で…。俺、野球やってないし、他人より実力があるって訳でもないんだよ?」
そう言うと俺に視線を戻しキョトンとした顔で言い出した。
「……なんか勘違いしてない?確かに野球は好きだけど必ずにも好きな人が野球やっている訳じゃないよ?それに私は頑張って部活に取り組んでる人がいいから、実力があるとかないとか関係ないよ。」
その言葉に嬉しさとか驚きとか勘違いしていた自分の恥ずかしさとかで言葉が出て来なかった。
しかもそんな俺に追い討ちをかけるような言葉を発した。
「……私さ……本当は先輩と付き合ってるときから菅原のこと気になってたんだ。」
菅「え!?」
「優しくて、頭よくて、包容力がありそうで、話してて楽しくてさ……菅原なら私のこと受け止めてくれるって思ってたんだ。……だから今日、私のとこ待っててくれて、しかも告白されて心臓止まるかと思った。
すごい嬉しかった!……ありがとう…孝支!大好きだよ!」
黒羽は最後に俺を下の名前で呼んでから勢いよく俺に抱きついた。
いきなりでビックリしたけど、気がつくと俺は朱鳥を抱きしめていた。
菅「俺も大好きだよ……朱鳥。」