第59章 年下男子〈岩泉一〉
「ありがとうね、岩泉くん。助かったよ。」
岩「いや、いつも指導してくれた礼つーか、本当はこんなこと俺たちがやる事だから。」
「でも、私、ほとんど指導者らしいことしてないよ。みんな私より上手いんじゃないかな。」
こんな話をしながら部室まで向かった。
会話上では分かりにくいけど、私の中の心臓はバックバクで心臓の音が聞こえるんじゃないかってぐらいドキドキしていた。
「これ、ここに置いていいの?」
岩「あ、あぁ。そこなら邪魔にならないし。」
「そう。じゃあ戻ろうか。」
ダンボールを置いて部室を出ようとしたとき。
岩「あの、朱鳥……さん……!」
突然岩泉くんが緊張したせいか敬語で名前を呼ばれた。