第59章 年下男子〈岩泉一〉
そんな日が続いて、
ついに今指導期間最終日を迎えた時のことだった。
溝「おーい朱鳥、この荷物バレー部の部室に持っていてくれないか?場所、わかるだろ?」
部活が終わる間際、幸ちゃんがそう頼んできた。
部員は片付けとかしてたから私に頼むしかなかったのだろうけど。
「…わかるけどさ……、これを運べと?」
そこには大きなダンボールと中ぐらいのダンボールが一つずつあった。
溝「そんなに重くないから大丈夫だろ!」
「いやいやさすがにダンボール二つは。」
岩「じゃあ俺、手伝いますよ。」
そう言ってきたのは岩泉くんだった。
岩「片付けももうすぐ終わるし、持ちますよ。」
溝「そうか?じゃあ頼んだ。」
岩泉くんはなにも言わずに大きい方のダンボールを持った。
そんな然り気無い気遣いというか優しさに胸がキュンとなった。