第58章 太陽のような君〈山口忠〉
忠「あのさ、朱鳥。」
「ん?」
忠「…何かさ…ごめんね。」
帰り道、俺は立ち止まって謝った。
「え?何で謝るの?」
振り向いた朱鳥は不思議そうに聞いた。
忠「俺、部活あるからなかなかこんな風に放課後とか休みの日に一緒にいられないから。俺の方から告白して付き合ってくれたのに、朱鳥に寂しい思いさせてるんじゃない?」
すると朱鳥は俺の前に立ち優しく微笑んだ。
「そんなことないよ?忠が部活大変でなかなか会えないの知ってて付き合ったのは私だし、こうしてたまにだけど一緒に帰ったり出来るだけで私は楽しいよ!」
忠「……でも。」
「あ、もしかして私が他の男子と遊んだりしてないか心配してんの?」
忠「え!?いや、そういう訳じゃ。」
朱鳥にそう言われて一瞬ドキッとした。
確かにこうしてあまり会わないうちに朱鳥との距離がどんどん離れて別の誰かに取られるんじゃないかって少しだけど思っていたから。