第56章 愛の証明〈黒尾鉄朗〉
そして、その日の放課後。
部活には本当にクラスの女子たちが来ていた。
キャーキャー言われちゃってさ、後半にはタオルとか渡されちゃって……鉄朗の彼女は私なんだから他の子のなんて断ってほしかったのに、鉄朗はあっさり受け取った。
だから私はいつものように鉄朗と帰っていても、ほとんど口を利かず、早歩きになった。
鉄「おい、何か怒ってる?」
後ろから鉄朗がそう声をかける。
「別に怒ってない。」
つーか、少しは察してよ。そう心の中で思いながら鉄朗の顔を見ずに歩き続けた。
鉄「じゃあ何でそんな態度とってんだよ?」
「そんな態度って?」
鉄「……はぁ。お前さ言葉にしねーとわかんねーし、なんの解決にもならねーぞ。」
その言葉に私は足を止めた。
「…じゃあ言うけど、クラスの女の子とかに話しかけらちゃったり、タオルとか渡されてさ、鉄朗は私の彼氏じゃん!他の子に優しくしないで…!もっと私のこと見てよ!」