第55章 支え合い〈牛島若利〉
それから、顔を合わせてもほとんど話さなくなった……というよりなんと話しかければいいかわからなくなっていた。
智「ねー朱鳥、今日部活休みじゃん?男子バレー部に大学生のOBが来て練習するらしいからさ見に行こうよ?」
そんなある日の放課後、同じクラスでバド部の友達の智里がそう声をかけてきた。
「……うーん。」
智「何?いつもなら牛島君いるから即答で"行く"って言うのに。」
「別に若は関係ないし…。」
無駄に勘がいい智里にそっぽを向いた。
智「あ~わかった。牛島くんと喧嘩したんでしょ?もーさっさと仲直りするか告ちゃえば楽になるのに~。」
「だから、若は関係ないってば…!」
本当智里は勘がいい。
智「そんなこと言って"なんかあったって"顔に出てるよ。」
私は智里の言葉に言い返せななかった。
智「ほら~行くよ。こんなとこでウジウジしててもなんの解決にならないだから。」
そうして私は無理矢理智里に引っ張られながらバレー部が練習している体育館に連れていかれた。