第53章 合宿にて…。〈岩泉一〉
少し歩いて私の部屋の前まで来た。
「あ、あのわざわざありがとうございます。」
岩「いいって気にするな。じゃあ、おやすみ。」
「…はい。おやすみなさ……あ、あの!」
岩泉先輩が背を向けたのを見て私はつい岩泉先輩の服の袖を掴んだ。
「もう少しだけ一緒にいてくれませんか?」
岩「…あぁ、いいぞ。」
岩泉先輩はさっき私が震えていたから心配して部屋に入ってくれた。
岩「それにしても、お前よくマネージャーの仕事してくれてるよな。」
二人部屋の床に座ると岩泉先輩がそう言った。
「え…?」
岩「まだ、入って間もないし、他にマネージャーいねぇーのに本当頑張ってるよな。大変だろ?」
「い、いや、そんなことないです…!」
岩「お前が入ってくれたおかげで俺達も助かってるんだ。ありがとな!」
そう笑って私の頭を撫でてくれた。