第5章 名前の呼び方 〈影山飛雄〉
「ちょ…ちょっと!!待って!?歩くの早いって!!手痛いし……。ねぇ影山君!!…影山君ってば!!」
握った手の方から聞こえる朱鳥の声。それに俺はイラついた。
影「その呼び方やめろ!!」
バッと振り向いて俺はつい怒鳴ってしまった。
「……呼び方って……影山君…どうしたの?……なんか変だよ?」
朱鳥は少し驚いていた。
その顔に俺は少し落ち着きを取り戻した。
影「……お前…日向のとこ下の名前で呼んでいただろ?」
「へ…。ああ…。席近いし、面白かったし、よく話してるからついね!」
朱鳥はにっこり笑うなら答えた。それに余計俺はイラつく。
"よく話してる"?
もしかして…俺よりも話してるんじゃ…?
影「…お前は俺と付き合ってるだろ!?なんで日向との方が楽しそうなんだよ!?」
「…え!?別にそんなことないよ?!」
困った表情を浮かべたあと朱鳥言った。
「……もしかして…影山君、嫉妬してるの?」
影「!!!?」