第50章 もし……叶うなら〈松川一静〉
松「捻挫だな、これ。まぁ、そんなひどくないみたいだし良かったな。」
「はい。」
松「ボールぶつかったところは平気?」
「は、はい。肩に当たっただけで今はそんな痛くないんで。」
テーピングしてもらってる間私はドキドキ止まらなかった。
憧れの松川先輩がすぐ目の前にいて、テーピングしてもらってる。
もう、息をするのも忘れそうだった。
「あの、本当すいません。」
松「なんで、怪我した黒羽が謝るんだよ?」
「だって、私の不注意でしたし、松川先輩の部活中断させてしまいましたし…。」
松「…あと少しで休憩だったし、気にしなくていいよ。」
そう言う優しいところも本当好き。
ドキドキで苦しいけど、ちょっと幸せで、この時間が止まればいいのにって思ってしまう。
だけど、そんなこともいかずテーピングが終わろうとしていた。
松「よし!とりあえずこれ終わり。キツくないか?」
「はい…。ありがとうございます!」
松「じゃあ行くか。」
「あ、あの!!」
松川先輩が後ろを向いたとき私は胸の苦しさが我慢できなくて呼び止めた。
「二週間後にバドの大会あるんです。も、もしその個人戦で私が優勝したら、付き合ってくれませんか?!!私、ずっと……ずっと松川先輩のと好きだったんです!!」
松「え?」
「突然、こんなこと言ってすいません…。……私…皆から"二年生エース"何て呼ばれてるけど、本当は全然勝てる自信無いし、団体戦に入れたのもたまたま校内ランキング戦で勝ち残っただけなんです。…でも、もし優勝して先輩て付き合えるなら、頑張れる気がするんです!!だから……お願いします…!」
咄嗟に言っていた告白。
こんな、告白普通なら即拒否るだろう。
だけど……。
松「…わかった。いいよ。」
松川先輩はそう言ってくれた。
「……!本当ですか!!?」
松「うん、試合頑張って。」
「ありがとうございます…!」
信じれない答に私は嬉しくてたまらなかった。