第50章 もし……叶うなら〈松川一静〉
友1「手首痛めた?」
「う、うん、そうみたい…。」
先1「どうしよ、今テーピング切れてるんだよね。」
「大丈夫です、保健室行きますから。」
友1「今日、保健の先生休みで保健室開いてないよ?」
「まじで?」
私たちが困っていると
及「じゃあうちのテーピング使えぱ?」
と言っていた。
「え?いいんですか?」
同じ体育館と言うだけでそこまで交流などなかったけどありがたいと思った。
及「うん、確か部室にあったよね?」
岩「あぁ、この間何個か買ってあったな。」
松「じゃ、俺がやるよ。」
「え?!い、いいですよ!貸してもらえれば自分で…。」
私はビックリして断ろうとした。
ただでさえ今緊張してまともに松川先輩の顔見えないのに、部室で二人っきりで手当てされるなんて心臓止まるかもしれないし…。
松「手首だとひとりじゃやりづらいだろ?それに、俺が弾いたボールが当たったわけだし。ほら、行くぞ?」
松川先輩はそう言って私を立たせて歩き出した。
友1「じゃあ、松川先輩お願いしま~す!」
事情をしている友達はにやにやと笑いながらヒラヒラと手を振った。
「えっ!?ち、ちゃんと!!?」
こうして私は松川先輩にバレー部の部活に連れてこられた。