第49章 バカに恋して〈田中龍之介〉
行きが切れるほど走った。
恥ずかしくて、
龍のバカさにムカついて、
素直になれない自分が情けなくて、
走った。
その時。
龍「おい!!!朱鳥待てって!!!!」
後を追ってきた龍にガシッと腕を掴まれた。
「離してよバカ!!アンタの顔なんか見たくない!!鈍感バカ!人の話聞けって言ってるじゃんバカっっ!!!」
龍「ちょ…!バカバカうるせーよー!」
「……でも……そんなバカで、暑苦しくて、ウザくて……………変にメンタル強くて…、パワーあって面倒見がいいところが好きなのに………何で、気づかないんだよ…………。」
私はぼろぼろと涙を流しながら腕を掴まれたままその場に座り込んだ。