第49章 バカに恋して〈田中龍之介〉
「はぁ……。 」
諦めているけど、諦めきれないところもあって、すごく胸が苦しい。
気が付くとため息をしていた。
清「朱鳥ちゃん、具合でも悪い?大丈夫?」
そこを清水先輩に見られて心配させてしまった。
「えっ?!あ、いや大丈夫です!!」
清「本当?無理しなくていいんだよ?」
仁「黒羽先輩なんかあったんですか!!?」
仁花ちゃんも不安そうな顔で駆け寄ってきた。
「大丈夫大丈夫。本当、なんでも無いんで!!ちょっと寝不足なだけですよ!」
清「そう?ならいいんだけど。」
ホントは誰かに相談しちゃった方が楽なんだろうけど、当然、清水先輩に言えるわけ無いし、仁花ちゃんは部に入っていて間もないから、相談して変な心配かけたくないから黙っていた。
けれど、さすがに限界が来ていた。
その日の部活終了後、たまたま一人でいた縁下と会った。
縁「あ、黒羽。お疲れ。」
「お疲れ…。」
縁「なんかあった?元気無いみたいだけど?」
優しいその言葉に私は我慢しきれなく…。
「……うぅぅ……─縁下〜〜〜〜〜!!!」
縁「えっ!!!??何?!どうした!?」
私はその場に泣き崩れた。