第48章 図書室での恋〈木葉秋紀〉
そして今にいたる。
静かな図書室の後ろで二人並んで本を読んでいると。
木「あ、俺もその本読んだことあるわ。」
突然彼が私の読んでいる本を見て言った。
「え?本当?!」
木「おう、面白いよな!」
「うん!……でも、木葉くんが本好きなんて意外。」
木「そうか?」
「うん!運動部だし、本とか読まない人だと思ってた。読んだとしても漫画とかだと…。」
木葉「お前それ偏見だぞ?」
「うん、ごめんごめん!いろいろ勘違いしてた!」
木「ふーん。たとえば?」
そう聞かれたからいくつか言ってみた。
「好きな食べ物はハンバーガー。」
木「残念、竜田揚げでした。」
「飲み物はコーラとかサイダー!」
木「コーヒーな!ブラックの!」
「好きな場所は体育館かカラオケかゲーセン!!」
木「あ~嫌いじゃないけど本当に好きなのはこういう静かな図書室とかだな。」
私は見事に全部ハズしてしまった。
でも、彼の意外な一面を知ることができてちょっと嬉しかった。
木「……っていうか本当俺んとこ勘違いしてるないろいろ!」
「だって、休み時間とか木兎くんとか小見くんとかバレー部の人と一緒にいて騒いでるし、金髪だしもっとチャラいのかと…。」
木「まぁ、木兎たちといるのは楽しいけど、たまに静かに本読みたくなるんだよ。まぁチャラいのは否定しないけど。」
「ごめんって!人を見た目で判断しちゃダメだね!」
そう言って二人顔を合わせて笑った。