第4章 一年の差 〈黒尾鉄朗〉
ク「だったら俺がこいつおぶって連れて帰る。家近いしな。」
「え…?でもクロ部活は…。」
ク「もう引退したんだ。先帰っても大丈夫だろ。」
保「そうね!黒尾くんが一緒なら安心だわ!!」
そう先生らしいことを言っているようで顔は何か面白いものでも見るような顔をしている。
ク「じゃあ俺、荷物取りに一回体育館戻るから。部員にも伝えておく。」
「うん、ありがとう。」
そう言ってクロは保健室を出ていった。
少したってクロが戻ってきた。
その手には自分と私の鞄。そして更衣室においてあったはずの私の制服が入った鞄が握られていた。
「あ、私の着替え……。どうしたの?もしかしてクロ…更衣室に入t「ねーよ!!鞄取りに行ったときにお前の友達にたまたま会って事情話したら更衣室から持ってきてくれたんだ。」……だよね。」
うんまぁ…疑ってはいなかったんだけどね。
ク「よし、じゃあ行くか。ほら。」
「うん。」
私は再び黒の背中に乗った。
「ありがとうございます先生。さようなら。」
保「おー仲良く帰れよ〜!!」
楽しそうにヒラヒラと手を振る。