第4章 一年の差 〈黒尾鉄朗〉
クロにおぶってもらっての帰り道。
クロの匂いは自然と私を安心させる。
「あーあ。もう一年早く生まれてたらクロと卒業できたのになー。」
クロの背中で私は呟く。
ク「もう諦めろよいい加減。」
「わかってるよ!ただ言っただけだし!!」
その後一緒に笑った。
心は軽くてさっきまで悩んでたのがバカみたいだった。
そして――
クロは希望の大学にも合格し卒業していった。
寂しい気持ちはあるけど悲しくはない。
クロが待っていると思うとその日を楽しみに今を頑張っていこうと思えてきた。
一年後――
私は無事高校を卒業した。
そしてクロの待つ大学にも無事合格した。
研磨も一緒に!!!
大学の入学式。
昔からの集合場所。
そこにクロがいた。
この一年間のうちにも何度か会っていたけど、その日のクロは少し大人っぽくてスゴくカッコよく見えた。
「クロ!!」
私が名前を呼ぶと
気付いたクロが軽く手を振っていた。
-一年の差-
END