第4章 一年の差 〈黒尾鉄朗〉
少し涙が止まった頃。
ガタン
と物音がした。
一緒に音のした方を見ると保健の先生がニヤケた顔でドアに隠れながら見ていた。
「「!!///」」
咄嗟に私達は離れた。
(み、見られてた!?////)
私は一気に顔が熱くなる。
ク「いるならいるって言えよっ!!//」
保「いや〜青春してるから邪魔しちゃ悪いなーって思って!」
ヘラヘラと笑いながら入ってくる保健の先生。実に先生らしくない。そんなんだからクロは敬語を使わない。
でもそんな風だからいろんな生徒に慕われてるらしい。あ、一応女です。
保「怪我人がいるって聞いてきたんだけどまさか恋の病とはな…。」
「ち、違いますっ!!」
私は慌てて言い返す。
生徒をからかって何か面白いんだか…。
ク「こいつ、部活では足痛めたんだ。たぶん捻挫だと思うから湿布張っておいたんだけどよ。」
保「あーなるほどね。じゃあとりあえずもう一回見せてみ?」
「え…でももう包帯巻いちゃったですけど。」
保「大丈夫大丈夫、ちょっと触るだけだから。」
そう言うと私の足を持つと軽く足首を動かす。
「っ!!」
少し痛みが走る。
保「痛い?やっぱ捻挫ね。けど処置はいいしそんなに酷くないからすぐに良くなるわ。」
にっこり笑う先生を見ると少しほっとした。
保「けど、今日はあんまり動かさない方がいいな…家の人に迎い来てもらえる?」
「あ……いや、今日親どっちも仕事で帰ってこないんです。」
保「そう…アタシが送ってあげてもいいんだけどまだやることあるからな…。」
と悩んでいるとクロが言い出した。