第42章 「先生、質問です!」〈猿杙大和〉
そして私はついに切り出した。
バレー部の練習がない日の放課後、私は誰もいない教室でそう言った。
「ね~先生~付き合ってる人いるの?」
まるで編入してきた教師に興味本意で聞く生徒のように。
猿「ん~?いないよ。」
その言葉に一瞬ホッとした。
けど………。
猿「でも、好きな人ならいるよ。」
「そ、そうなんだー……。」
あまりにも衝撃的で
何と返したらいいか言葉が見つからなかった。
猿「気になる?」
黙りこんでいる私に
聞いてきた。
「え?……う、うん。まぁ一応?」
猿「俺の好きな人はね、
頑張り屋で明るくて、素敵な人なんだ。」
「へぇー…いい人なんだね。」
本当素敵な人。
そりゃ好きになるわ。
私とは大違い……。
猿「誰か知りたい?」
「うーーん。」
私がためらっていると
猿「それはね──」
その人の名前を言おうとした。