第42章 「先生、質問です!」〈猿杙大和〉
猿「んで、ここをこうすれば……。」
「おおー!できた!ありがとー猿杙くん!」
猿杙くんの丁寧でわかりやすい説明のおかげで
補習の課題は無事終わった。
猿「いや、俺はちょっと教えただけだよ。
それよりは提出してきな?送っていくから。」
「え?いいよいいよ!?そんな!」
猿「いいって。黒羽さんって電車通だろ?俺もそうだし、もう暗いから危ないし。」
「じゃ、じゃあお言葉に甘えて…。」
猿「へぇ~黒羽さんってお兄さんいるんだ。」
学校から駅のホームに着いて電車が来るまでの間いろいろ話をしていた。
今までほとんど話したことがなかったけど結構気があった。
「うん。でも全然優しくないし、勉強も教えてくれないんだよー。そっちは?」
猿「俺のとは妹がいる。今、中3。」
「あ、じゃあ受験生だね。」
猿「そう。だから結構わかんないとこ聞いてくるんだよ。」
「猿杙くん教え方上手いもんね~。先生みたい!」
猿「いやそんなんじゃないって。でも俺が教えても、また同じようなこと聞いてくるんだよな。」
猿杙くんとの他愛もない会話は
とても楽しくて時間はあっという間に過ぎた。
男友達ってこんな感じなのかな?
「あ、私この電車なんだ。今日はありがとう。」
猿「どういたしまして。じゃあまた明日。」
「うん。また明日!」