第41章 ドSの大王様 〈及川徹〉
*朱鳥
そして放課後。
日直で遅れたけど言われた通り視聴覚室来た。
ちょっと
昼間の先輩の顔を見たら
何か企んでるって思ったから
乗り気じゃなかったけど
後が怖かったし…。
私はそっと視聴覚室のドアを開けた。
徹「あ、やっと来た。来ないのかと思ったよ!」
「そんなわけじゃ……。(ってかそんなこと思ってなかったくせに……本当ズルい…。)日直で遅くなっただけです。」
徹「そうだったんだ。お疲れ。」
「いえ。それで……その…な、何をすれば…?」
私はゆっくりと先輩に近づいた。
徹「はい!これプレゼント!」
そう差し出したのは
桜の形をした可愛らしいピアスだった。
「これピアス…ですよね?すごく可愛くて嬉しいですけど、私ピアスの穴開けてないんです…。」
徹「うん、知ってる!だからこれを気に開けなよ?」
「えっ……。」
一瞬訳がわからなかったけど
理解したら怖くなって
方耳を触りながら
壁の方に寄った。
「い、イヤです!耳に穴開けるとかこ、怖いし…。
先生に見つかったら……。」
徹「大丈夫。朱鳥髪長いから、隠せるって!」
「で、でも痛そうだし。」
徹「それも大丈夫だって。俺が優しく開けてあげるから♪」
先輩は私の目の前に立って私の逃げ道はなくなってしまった。
そして
優しい声で言いながら
触れている耳に手を添えた。
「で、でも…。」
本当は嫌だったけど
先輩の顔を見ると
先輩は自分の意見を変える気はなさそうだった。
「…………わ、わかりました。」
私はしぶしぶ頷くことしかできなかった。
徹「うん!じゃあ顔横向いて?」