第4章 一年の差 〈黒尾鉄朗〉
部活中―
クロ達三年生も含めて二チームに分かれた試合。
私はクロが来たせいで余計いろいろ考えて部活に集中していなかった。
(はぁー…もう…なんでこんなに悩んじゃってるんだろう。)
その時だった。
ク「朱鳥!!!危ない!!!!」
クロの突然の声に私はハッとする。そして目の前には勢いよく自分のところに飛んでくるボール。
「え…?わっっ!!」
ドサッ!!
私はかろうじて避けたが、バランスを崩して床に倒れてしまった。
「いった…。」
皆心配して集まってきた。
研「朱鳥…大丈夫?」
「う、うんなんとか(苦笑)」
犬「スイマセン!!俺の打ったボールが……!!」
おどおどと謝る犬岡。
「いや、私がちゃんと見てなかっただけだから気にしないで?」
そう言って立ち上がろうとした。――が。右足首辺りに激痛が走った。
「っ…!!」
思わず座り込んだ。
夜「大丈夫か!?もしかして捻った?」
研「保健室行った方がいいんじゃない?」
「う…うん。」
すると…
ク「ったく…ほら…。」
クロが片方の膝を床につけて私に背中を向けた。
「え…?」
ク「早く乗れよ。その足じゃあんまり歩くの辛いだろ?」
「…う…で、でも…」
ク「いいから早くしろって!」
クロの少し強い言い方にしぶしぶクロの背中に乗った。
バレー部の皆は私とクロが付き合ってるのは知っているけど…ちょっと恥ずかしかった。