第37章 恋の実りは風邪を通して〈花巻貴大〉
*朱鳥
ふと目を覚ますと
スタンドランプだけついていて
部屋は薄暗かった。
重い体を起こして横を見ると
壁にのっかかって貴大が寝ていた。
「本当にずっと見ててくれたんだ…。」
と嬉しいような申し訳ないような気持ちになった。
「あ…、貴大何もかけてない…。」
私は自分にかかっていた布団から1枚毛布を抜き出して寝ている貴大にかけてあげようとした。
そのとき貴大のが私の腕を掴み自分のとこに引き寄せて私は貴大の腕の中に埋まった。
「ちょ……貴大?!!」
慌ててて抜け出そうとしたけどしっかりと腕でロックされていて脱け出そうにもなかった。
しかも貴大は寝息をたてて起きそうにもなった。
もう諦めて貴大の腕の中で再び目を閉じた。
貴大の抱き締められて
鼓動が早くやっている。
だけど
暖かくてホットする。
やっぱり私
貴大のことが好きなんだ…。
そう改めて思った。