第30章 ヤキモチ〈赤葦京治〉
京「朱鳥からでいいよ。」
「…私は後でいいよ京治くんから言って?」
少し気まずい雰囲気のなか京治くんが話し出す。
京「……昨日はゴメン。
あんな事して朱鳥を傷付けた。
俺さ、朱鳥が木兎さんと楽しそうにいるのが嫌でさ…
最近変なんだよ……。
本当にごめんな。」
そう言って京治くんは私の手を握った。
「……もしかして京治くん……ヤキモチ…焼いてたの?」
京「……あぁ…そうかもな。俺ヤキモチ焼いてたのか……。
カッコ悪いな……カギかよ……。」
京治くんは少し顔を赤くして目をそらした。
「そんなことないよ。」
それだけ私の事思ってくれてるって事でしょ?
すごく嬉しい。
私こそ、嫌な思いさせちゃってごめんね…。」
京「…ありがと……朱鳥、俺は朱鳥が1番好きだよ。」
京治くんは握った手を私の頬に移すと優しく撫でた。
「うん。明日も朱鳥が1番好き!!木兎先輩は面白くていい先輩と思うけど……
私には京治しかいないよ。」
そう言って私だちは優しく抱き合った。