第30章 ヤキモチ〈赤葦京治〉
*朱鳥
「京治くんっ!!……って……あれ?」
急いで保健室に入り3つ並ぶベッドの1つだけ閉まってるカーテンを開けた。
京「…朱鳥?」
保「びっくりした。どうしたの?」
「え……えっと……」
保健室のベッドには確かに京治くんがいる。
けど目を覚ましているし、保健の先生と話しているみたいだった。
保「…まぁなんでもいいけどさ私これから職員会議あるのよ、あなた、しばらく看ててもらえる?」
「え…あ…はい……。」
保「じゃ…よろしくね。」
そう言って保健の先生は出ていった。
京「…で、どうしたの?そんな息切らして。」
「だ…だって京治くんが
倒れて意識もなくて重症で救急車呼んだって木葉先輩が…。」
京「…いや…俺寝不足と軽い風邪だから…。」
「そう…みたいだね…。(木葉先輩に騙された……。)」
京「でも心配してくれて
嬉しかった。」
京治くんは少し微笑んだ。
「……うん……。」
それから何を話していいか無言が続いた。
京「…………。」
「…………。」
京「…あのさ!」
「…あの!!」
咄嗟に声が重なる。