第30章 ヤキモチ〈赤葦京治〉
この日は雨が結構降っていたけど、俺は傘を忘れて木の影で雨を避けて待っていた。
「おまたせ〜!!ごめんね遅くなって!!」
そこにピニール傘を差して走ってきた。
京「…いや大丈夫。お疲れ。」
「うん!あれ京治くんも傘忘れたの?肩濡れてるよ!?」
そう言って俺を傘の中に入れた。だけどそんなことよりも。
京「…も?」
「木兎先輩も傘忘れて走って帰るーって言ってたの!」
あー…まただ。またその人の名前を出す。
京「へーそうだったんだ。」
「も〜聞いといてその反応〜?
でも木兎先輩って面白いよね!!
スゴいスパイカーなのにしょぼくれモードとかあったり、結構話しやすくて話してて楽しいよね!?」
楽しそうに話す朱鳥に変に腹が立った。
京「……そうだね。
でもさ朱鳥、彼氏の前で他の男の話ししないでくれる?」
「あ…そう…だよねごめん。」
朱鳥は少し悲しそうな顔をして、なんでこんなこと言ってしまったのかと思った。
それからしばらく話しがら歩いてると
「そういえばもう少しで大会じゃん!?がんばってね!!」
笑顔で俺に言った。
京「うん…ありがと。」
「絶対勝てるよね!!京治くんいるし、木兎先輩も頑張ってるし…!!」
朱鳥の笑顔を見て嬉しいという思いが一気イラ立ちに変わった。
京「……いい加減にしなよ朱鳥…!!」
我慢の限界を越えた俺はグイッと朱鳥を自分の方に引き寄せ無理矢理キスした。
弾みで朱鳥の持っていた傘が手から離れ地面に落ちる。
「っん…!!!?ちょ………京…治く…こんなとこで…やっ……!」
なんども荒いキスをして朱鳥が離れようとしたけど、俺はしっかりと朱鳥の腕を掴んで離さない。
そしてそのまま朱鳥の口の中に下をねじ込んだ。
「っんん……!!?……ん…ャ…ヤッ…!!!!」
パチッッ!!!
朱鳥の手が俺の頬を叩く。
。朱鳥は顔を赤くして
涙を流した。
「はぁ…はぁ……ごめん。
今日の京治くん変だよ……。
私…先帰る…ね。」
朱鳥は落ちた傘を拾うと逃げるように帰っていった。
雨が当たりながら自分を憎んだ。
朱鳥に嫌な思いをさせてしまった。
俺の勝手な思いのせいで…。