第28章 恋愛ごっこ 〈花巻貴大〉
それからしばらく
カフェでは恋人のフリをした。いわゆる恋愛ごっこ。
最近の流行りなのか
カップル限定のスイーツや
サービスが多くていつも以上に楽しかった。
そしてある日
私のクラスに彼が来たときだった。
女1「ね〜2人って付き合ってるの!?」
「へ!?……いや…そういうわけじゃ…「そうっ!!俺ら付き合い始めたんだ。」…!!」
否定しようとしたら貴大がそう言って彼は私の手を握った。しかも恋人繋ぎ。
女1「わ〜やっぱり〜よく一緒にいるしお似合いだと思ってたんだ!!」
貴「そう?サンキュー!!」
彼はそのまま私の手を握って教室を出た。
「ちょ…ねぇさすがに学校じゃマズイんじゃ…ないかな?」
貴「え?いいじゃん、なんか他の奴等騙してそうで面白そうだし。
……朱鳥はイヤだった?」
「いや………別に…いやじゃ…ないよ…。」
そう嫌なわけなかった。
貴大のそういう少し軽いところも好きだし学校で私たちが付き合って噂になるのも少し嬉しかった。
だけど
なんだろう…この複雑な気持ちは…。