第28章 恋愛ごっこ 〈花巻貴大〉
店「それからこちら、
カップル限定のハートのガドーショコラですっ!!サービスなので料金は頂きませんのでご安心を!!」
テーブルに置いたのは
ハートの形をした粉砂糖がかかったカワイイガドーショコラだった。
一瞬私と花巻くんは言葉を失った。
それで察したのか
店「あれっ!?違いましたか?」
わたしが「はい」って言おうとしたとき
花「いえ、そうです。ありがとうございます!!」
って花巻くんが言った。
店員がいなくなってから
「ちょ…花巻くん!?」
花「いーじゃんタダで食べられるんだし恋人フリってことにしよーぜ」
「まぁ…花巻くんがそう言うなら…。」
花「じゃ今から下の名前で呼び合うってことで!!」
「えっ!?」
花「恋人同士なら下の名前で呼び合うだろ?」
「そ…そうだね…貴大…くん。」
花「いやいや…"くん"はいらないから!!」
笑いながら言われて私は訂正した。
「え…えっと……た…貴大…。」
貴「うんよろしくな朱鳥。」
きっと花……貴大自信はちょっとした遊びとかそういう感覚なのもしれない。
だけど
私は前より距離が縮まった気がして花巻くんと恋人のフリができることが少し嬉しかった。