第28章 恋愛ごっこ 〈花巻貴大〉
2人で予約したカフェに向かう。
ただ私は1つ心に引っ掛かっている。
それは花巻くんが言った。
"デートじゃない"
"付き合ってない"
確かにそれは事実。
私たちは幼馴染みじゃないし、クラスも違う、部活も花巻くんはバレー部で私は帰宅部。
ただ1つの共通点が
甘いもの好きだと言うこと。
高1の春にお気に入りのカフェでたまたま彼と出会って意気投合した。
それから
部活が休みの月曜日や土日でお互い用事がない日に2人でカフェやケーキ屋を巡るようになった。
いわゆるスイーツ仲間っというやつ。
だけど
最近私はそんな関係に少し寂しさを感じていた。