第26章 桜日和 <赤葦京治>
「京治…!?
ウソ……ホントに来てくれたの…!?」
京治は早足で私に近づくとそのまま抱き締められた。
「っ!!ちょ…京治!?」
「やっと会えた。
やっと…朱鳥を抱き締めることができた。」
「……私も…嬉しいよ。
6年後のたった1回の約束を忘れないでいてくれて…。」
「忘れるわけない。
……いや本当は忘れようとした。この6年間朱鳥に会えないのが辛くて他の人を好きになろうとしたけど無駄だった。
俺はやっぱり朱鳥じゃなきゃダメなんだ。」
その言葉に涙が溢れた。
「……私もだよ
京治じゃなきゃダメみたい。
あの頃はね恥ずかしくて先輩とかの前で誤魔化してたけど…
本当はね…ずっと好きだった。
ずっと…ずっと前から…。」
「俺もずっと好きだったよ……朱鳥。」
そして私たちは今度は
再会のキスをした。