第26章 桜日和 <赤葦京治>
そして
―6年後―
*朱鳥
電車を降りてゆっくりあの公園に向かう。
周りの風景を見るたび懐かしい思い出があふれ出した。
学校の前を通ると
ほとんど変わらない姿で建っている。
そしてあの公園桜の木の下についた。
時刻は3時過ぎを差している。
誰もいな公園で風で桜が静かに揺らしているのをベンチに座って何もせずに見ていた。
いつしか
日が暮れ…辺りは薄暗くなった。
「だよね…6年後のしかもたった1回の約束なんて…覚えてないよね…。」
私は諦めて帰ろうと立ったとき。
「朱鳥っ!!!!」
声のする方を向くとそこには
少し大人っぽくなった京治が息を切らしていた。