第26章 桜日和 <赤葦京治>
翌年の3月
朱鳥はある日から
学校に来なくなった。
最初は体調不良と学校に連絡があったけど、何日も続くと不信に思えてくる。
メールをしても返事がない。
電話しても繋がるだけで一向に出ない。
家に行ってみたけど
朱鳥の母親が
母「ごめんなさいね、あの子風邪こじらせちゃってなかなか治らないのよ。うつすかもしれないから今日は会わないで帰った方がいいわ。」
なんて言われた。
そのうちクラスでは変な噂が流れた。
"親が離婚した"とか
"借金で家を出ることになった"とか
"妊娠して退学になった"とか…
だけど俺は信じれない。
前に朱鳥の家に遊びに行ったとき
朱鳥の家は他の家より大きくて立派だったし、。
親の会社の話を聞くとそう簡単に潰れるよいな会社じゃない。
両親もすごく仲いいし
朱鳥から
誰かと付き合ってるとか好きな人がいるとか聞いたことがなったから。
バレー部の先輩も
心配していた。
そして必ず皆俺に聞いてきた。
理由を聞くと
『お前が一番朱鳥と仲良くて近くにいたから』
だった。
確かにそうだったかもしれない。
別に俺と朱鳥に他の友達がいなかった訳じゃなかった。
だけど気が付けば
朱鳥はいつも俺の隣にいた。
だから後悔する。
いつも一緒にいたのになんで何も気づいてあげられなかったのかと…。
もしかしたら
朱鳥なりに何か伝えようとしていたかもしれないのに…俺は気づかなかった。