第26章 桜日和 <赤葦京治>
そんな事ばかり考えているうちに3学期の終業式を迎えた。
結局あれから朱鳥は来なかった。
今日また朱鳥の家に行こうと思っていたとき
SHRの担任から思いがけないことを告げられた。
「えー、ずっと休んでいる黒羽の事だけど、親の転勤の都合によってイギリスの学校転校することになった。
ギリギリまで来るようにも言ったんだが日に日に皆と別れるのが近づくと辛いからっと断られた。
今まで黙っていたのもそう言うのが理由で口止めされていたんだ。」
途中から担任の声もクラスがざわめいているのも聞こえなくなった。
"朱鳥が転校する"と言う事実を受け止められないでいた。
その日の放課後朱鳥の家に行くと立派な家だけあって中はもぬけの殻だった。
俺はその日からしばらく俺は何も手をつけられないでいた。