第26章 桜日和 <赤葦京治>
季節は変わり
冬―12月。
こっちの方ではさすがに
雪は降らないけど大分寒くなっていた。
「京治〜〜〜明日までの課題やってたら後で見せて〜」
休み時間に席に座っていると
いきなり後ろから朱鳥がくっついてきた。
朱鳥の冷たい頬が俺の頬に当たってひんやりした。
京「朱鳥。…また?いいかげん自分でやれよ。あといきなり後ろからくっつくなって…。」
「だって忘れちゃうんだもん」
京「違う、ワザとやってこないだけだろ。」
「ありゃ〜バレてた!?
だって帰ると疲れてなんもやりたくなくなるんだもん…。」
京「朱鳥の嘘はわかりやすいから。
だいたい疲れてるのは他も一緒だろ。」
「そうだけどさ〜…。」
俺の肩の上でシュンとしてた。
京「…はぁ…わかったから。後でノート貸すよ。」
そんな顔をするとほっておけなくなって甘やかしてしまう。
「おー!!京治ありがと〜♪」
朱鳥はパァと嬉しそうに笑った。
本当俺って朱鳥に弱いって実感する。
木「おーおー昼間からラブラブだなお前ら。」
その声に振り向くと
教室のドアの前にバレー部の先輩の木兎さんがいた。
「あ、木兎先輩…!っていうか違いますよ!何度も言ってるじゃないですか〜!」
笑いながらドアの方に朱鳥が向かい俺はその後を歩く。
木「おー悪りぃ悪りぃ!!」
木兎さんは
ヘラヘラと笑いながら謝った。
京「で先輩が1年の教室に何の用ですか?」
木「あかあしーは相変わらずノリが悪いな〜!
今日部活の前にミーティングあるって3年からの伝言。他の奴らにも伝えておいてくんね!?」
京「そういうことなら…。」
「わかりました〜伝えておきまーす!!」
朱鳥は軽く敬礼し木兎さんは自分のクラスに帰っていった。
あれからほぼ毎日を朱鳥と過ごしている。
振り回せたり、駄々こねたりするけど
結構努力家だし
バレー部のマネージャーの仕事も頑張ってる。
一緒にいて飽きないし何だかんだで楽しい日々が続いてた。
だれど……
それはそう長く続かなかった。