第25章 別にシスコンじゃねーよ 〈黒尾〉
昔はもっと仲良かったはずなのに…。
小さい頃のことをたまに思い出す。
両親が共働きでいつも寂しくて泣いてた私と一緒に遊んでくれたり、
近所に大きな犬がいて怖がって前の道を通ることができなかった私の手を引いて歩いてくれたり、
勉強もわかんないとこを聞くと優しく教えてくれた。
でもそれは
過去の話…。
私はたまにお兄ちゃんに感謝するときもあるのに
お兄ちゃんはそんな気配しない。
だから―
今回は驚かしてやろうと思ってる。
日頃のちょっとした感謝も含めて…。