第24章 たとえ君がいなくなっても 〈山口忠〉
驚いた。
あの公園に霊が出るなんて。
だってもう何日もあの公園に行ってるけど霊なんて見たことなかったから。
いたのは
朱鳥だけ。
そのとき思ってしまった。
朱鳥が霊じゃないのかって。
よく考えれば俺のことはいろいろ話したけど朱鳥のことは名前しか知らない。
歳も学校もどこに住んでいるかも……。
だけどあんなにはっきり見えてたし俺やボールにも触れていた。
霊のハズがない。
そう信じたい。
そんな2つの考えが頭の中でぶつかって
俺はいてもたってもいられなくて部活終了後、平日にも関わらず、
あの公園に行った。