第18章 龍球女子と排球男子 〈及川徹〉
*朱鳥
俺は…青葉城西高校の二年。
正真正銘、女だ。
だけど
この外見と言葉遣いのせいかよく男子っ間違われる。
男になりたいとかそうゆうわけではなくただ単に、今のこのスタイルが気に入っているだけ。
俺には兄がいる。きっと俺もその兄に顔つきが似てしまったのだろう。
言葉遣いも昔から兄と遊んでいるうちに自分もこういう言葉遣いになっていた。
一人称が"俺"なのもそのせいだ。
好むものも一般的な女子と違う。
恋愛要素のある少女漫画よりバトルやスポーツものの少年漫画が好きだし、
好きな曲だってラブソングよりロックやヘビメタ派。
女子と恋バナより男子とバカなことしたりスポーツするのが好きだ。
ただ………
甘いものだけは譲れない。
甘いケーキやお菓子は昔から好き。
そこだけ女子ぽいと思うけど最近はスイーツ男子とか言う甘党な男子も増えているから普通じゃね?
さて、
俺は女子バスケ部に所属している。昔からスポーツ全般が好きだったけどバスケは特別だった。
この長身の体を活かせるし、走るのも好き。
なによりシュートを入れた時のあの快感が大好きだ。
そんな俺は昔から女子に好かれていた。
俺の周りに女子が集まるしバレンタインにチョコは貰う。
高校に入ってそれは増した。
誰が言い始めたか知らないが"黒羽くん"や"朱鳥くん"と呼ばれるようにもなった。
まぁ別に構わないが。
今だともう慣れたし、どちらかというとそう呼ばれた方がいいと思ってしまう。
今日もバスケ部の練習をしている。体育館のギャラリーには何人かの女子が見にきていた。
もういつものことだからいいんだが、もう少し声を小さくして欲しい。
。