第17章 ON・OFF少女〈月島蛍〉
「…え……?どういう意味?」
体を起こし不安そうな顔で僕を見る。
蛍「学校ではあんなに人気者のふりして帰るとなんでこうなの?
毎晩のように来てここ男子高校生の部屋だってわかってる?
いくら幼馴染みだからってそんな格好で無防備に寝ればキスぐらいされるよ。」
僕は思っていたことを全部言っていた。
朱鳥はしばらく呆然と黙り混んでいた。
「……………じゃないもん」
少しの間黙っていた朱鳥が口を開いた。
蛍「え?何?」
「……だ……だから……その…」
蛍「何?はっきり言いなよ。」
聞きにくい朱鳥の言葉にイラついて強く言うと
「っ…だから!!幼馴染みだからってわけじゃないんだってば…!」
朱鳥は声を叫ぶように答えた。
蛍「は?どういう意味?」
「…私は…蛍が好きだってこと…ずっと前から…。
大好きな蛍になら人気者の私もだらしない私も見せていいと思ってたの…。
だって…好きな人に隠し事なんて出来ないもん…。
それに……
こうやって毎晩来てるのだって、登下校は蛍は部活だし、クラスでもあんまり話せないから…。少しでも蛍のそばにはいたくて………。それで……。」
顔を赤らめながら涙を流す朱鳥を見て少し心が痛んだ。
朱鳥をグイッと僕の方へ引き寄せ抱き締めた。
蛍「…ごめん。……朱鳥の気持ちわかってやれなくて……。なんか…カッコ悪い…。」
「…そんなことないよ…私こそごめん…。」
朱鳥は。ぎゅっと僕の服を握りしめた。
蛍「僕も朱鳥が好きだよ。ずっと前から。」
「…本当…!?」
蛍「この状況で嘘言わないデショ。」
「っ…うれしい…!!」
今まですれ違っていた気持ちの分、僕らは強く抱き合った。