第17章 ON・OFF少女〈月島蛍〉
いっそ
キスでもしてやろうか。
どうせ寝ているんだし気づかないだろう。
そう思って
寝ている朱鳥の上に跨がり、手を朱鳥の顔の横に付いた。
そして僕は顔をそっと朱鳥の寝顔に近づけた。
そのとき…
僕の濡れた髪から1滴の雫が朱鳥の顔に落ちた。
「……う…ん………て……ちょ!ヤッ!!」
それで起きた朱鳥は咄嗟に僕の口を両手で押さえた。
「……何してんの蛍…?どういうつもり?」
動揺している朱鳥は少し震えているようにも見えた。
僕は上体を起こし逆に聞いた。
蛍「朱鳥ことどういうつもりなの?」