第17章 ON・OFF少女〈月島蛍〉
結局朱鳥は帰らないまま数十分がたった。
僕は机で課題を済ませ本を読んでいると
「ねぇそろそろご飯食べよう?私パスタ食べたい♪」
と言い出すからため息をして椅子から立った。
蛍「……じゃあ朱鳥も手伝ってよ。」
「わかってるって!!」
そう言って一階に降りキッチンに二人で立つ。
調理はじめて数分がたった頃。
ピンポーン
インターホンが鳴った。
蛍「僕が出るよ。」
「うんわかった〜!」
そう言って玄関に向かった。
出てみると山口が立っていた。
蛍「山口…何?」
山「あ…ツッキー!!これ、ツッキーのタオルでしょ?俺の鞄に間違って入ってみたいなんだ。」
蛍「あ。本当だ。ありがと。」
タオルを受け取っとき
「ねぇー蛍この味付けってこれでいいの?…って…あ…(山口…くん…。)」
あんな格好で人前には出づらいと思って僕が出たのに
朱鳥はそう言いながら玄関の方にやって来た。
朱鳥は山口の姿を見るなり動揺を隠せないでいる。
蛍「いいから戻ってて。」
こっそり朱鳥にそう言うと軽く頷きキッチンへ戻って行った。
山「ねぇツッキーの人誰?妹とかいたっけ?」
不思議そうに山口は聞いてきた。
蛍「従妹。用事があってこっちに来てるだけ」
「そうなんだ。あ、じゃあまた明日!」
山口が玄関の戸を閉めてため息をした。
正直…驚いた。僕はもう見慣れていたけど学校での朱鳥と家での朱鳥は別人に見られるぐらい違うんだと。