第2章 心を閉ざした君 〈及川徹〉
その日の部活終了後。
岩「あ?黒羽は帰らねーのか?」
皆、鞄を持って帰ろうとするなか朱鳥ちゃんだけ帰る準備をしていないのに気づき岩ちゃんが聞いていた。
「はい。まだやることがあるので。」
岩「そうか。あんまり遅くなる前に帰れよ。お疲れ。」
「お疲れ様です。」
朱鳥ちゃんは一人体育館に残った。
及「……。」
俺は校門近くで足と止めた。
岩「…?おい!何やってんだ?置いて行くぞ!!」
及「ごめん岩ちゃん!!忘れ物したみたいだから取りに行ってくる。先行ってていいかさ。」
そう言うと俺は体育館に戻った。
忘れ物なんて本当はしていない。ただ、今朱鳥ちゃんは一人だ。何か話をしたかった。
俺は無意識のうちに走っていた。