第2章 心を閉ざした君 〈及川徹〉
朱鳥ちゃんは普通の女子と少し変わっている。
マネの仕事はちゃんとやるし、真面目で成績も良くて教師に期待されているらしい。
けど…
いつも無表情で何を考えているかわからない。
実際キレイな顔をしているのに、笑った顔も泣いた顔も怒った顔も見たことがない。
しかも
誰に対してもほとんど平等に接して、特に大切と思う人がいないように見える。
それに、俺が笑顔を見せたり、優しいし言葉を言ったり、バレーで点を入れると多くの女子が騒ぎ立てるのに朱鳥ちゃんだけは何の反応もしない。
だからだろうか。俺は朱鳥ちゃんのことが気になっていた。
いつか俺が笑顔にさせたいと思った。