第13章 ずっとこれからも…。 〈菅原孝支〉
それから
ずっとコーチが言ったことが気になってマネージャーの仕事に集中できなかった。
その夜は一人皆と違う個室で考えていた。
でも考えば考えるほど辛くなって孝ちゃんに会いたくなった。
でもコーチの言ったことを孝ちゃんに言うわけにはいかない。
だから私は
『明日の練習について聞きたいことがある』
という嘘を考えて孝ちゃんを探した。
やっと見つけて
声をかけようとしたとき、その先に烏養コーチがいた。
私は咄嗟に隠れた。
何を話してるんだろう…。
そう思っていたら。
孝ちゃんが…………
孝「俺ら三年には"来年"がないんです。―だからひとつでも多く勝ちたいです。次へ進む切符がほしいんです。
それを取ることができるのが俺より影山なら
迷わず影山を選ぶべきだと思います。」
私は目の前が孝ちゃんが何を言っているのがわからなかった。
(何…それ………諦めるの?)
孝「"三年生なのに可哀想"って思われても試合に出られるチャンスが増えるならなんでもいい。正セッターじゃなくても出られることは諦めないそのためにその為によりたくさんのチャンスが欲しい。」
そう孝ちゃんは言ってるけど私にはもう何も聞こえなかった。
私は意味がわからずその場を走り去った。
いろんな思いが込み上げてきて私は合宿所を飛び出した。
途中月島に声をかけられたが嘘をついて一人外を走った。