第12章 叶わぬ恋でも…。 〈月島蛍〉
蛍「何でまだ王様がいるの?」
飛「……別に…。今から戻ろうとしたところだ。」
そう言って蛍ちゃんとすれ違うとき足を止め小さな声で蛍ちゃんに言った。
飛「…朱鳥のこと頼んだ…。」
蛍「…何?命令?………って言うか言われなくてそのつもりなんだけど。」
蛍ちゃんは飛雄くんに言い返した。
飛雄くんはそれに反抗せず黙って行こうとした。
「飛雄くん…!明日さ……」
咄嗟に私は声をあげた。
ふっちゃったけど、飛雄くんが大切な幼馴染みと言うことには変わらない。
けどふった人とまた一緒に登校したいなんて普通思わないよね……。
それでも
また明日も今日みたいな朝だと思うと辛い…。
また三人で登校したい…!!
そう思ってても言葉に出来ない。
それを察してか飛雄が振り向いて言った。
飛「明日は朝待ってるから!!」
「…うん!!」
その言葉が嬉しかった。
そして
飛雄くんは保健室を出ていった。