第11章 本当は優しい君だから 〈影山飛雄〉
*飛雄
朱鳥は俺の心の支えだった。
小さい頃からいっつも一緒に過ごしてきた。
中学に入って孤立していった俺に朱鳥だけはいつものように接してくれた。
怖がることも嫌がることもなく笑って一緒にいてくれたし、バレーの練習にも付き合ってくれた。
そんな朱鳥を俺はいつのまにか好きになっていた。
高校に入りその気持ちは強くなるばかりで
思いきって告った。
それが昨日のこと。
告るとこまではよかった。
だけどそのあとの朱鳥が俺を避けようとしていて
それがなんだか気にくわなくなって
俺はつい強い言い方をして朱鳥を泣かせてしまった。
そして今日。
どんな顔して朱鳥に会えばいいかわからないし、きっと朱鳥も俺と会うのが気まずいだろうと思い俺は朝練はないが早く家を出て学校に向かった。
学校についてしばらくしてから朱鳥が教室に入ってきた。
きっと話なんて出来ないと思っていた…。
けど朱鳥は俺と目が合うと
『おはよう』
って言ってきた。
そして昼休み話があるって言われた。
昨日の返事だとわかる。
そしてその答えも……。
あんな言い方し
泣かせてしまった。
いい返事じゃないと思った。