第11章 本当は優しい君だから 〈影山飛雄〉
教室に着くと飛雄くんは机に座っていた。
隣の席の私は机に鞄を置くと飛雄は気づいてこっちを向いた。
「おはよう。」
飛「…おはよう…。」
目が合いお互いあいさつをする。
気まづくて沈黙が続いた。
その空気に耐えられなくて私は言った。
「あのさ…。」
飛「…!」
「なんで…先に行っちゃったの?いつも待っててくれるのに…。」
私のことを思って気を使って先に来たってわかっていたはずなのにそんな質問をしてしまった。
それでも飛雄くんは
飛「……わりぃ…今日、朝練ある日かと思って…。」
って答えた。
きっとこれも私を思っての嘘なんだろうな…。
こんなに気を使わせてしまって本当情けない……。
ちゃんと自分の気持ちを言わなきゃ…。
「あのさ……今日の昼休み…話があるから…昨日と同じところに来てくれる……?」
飛「!……わかった…。」