第10章 兄と妹と幼馴染み 〈月島蛍/影山飛雄〉
蛍「は?何いきなり…?」
「いや…なんかアドバイスとかもらえたらなぁ〜って思って。蛍ちゃん人気あるし。」
蛍「…別にいないけど」
「えっ!?そうなの?
じゃあ好きな人とかは?」
意外な答えに驚いた。
蛍「……いるよ。」
「えっ!?マジで!?誰々??」
蛍「…何…知りたいの?」
「そりゃ…妹として気になるよ!」
蛍「……じゃあちょっとじっとしてて。」
「?うん?」
すると蛍ちゃんはゆっくりと近づいてきた。
床に置いた私の手を上から握られてビクッとして少しずつ顔を近づけてくる蛍ちゃんを避けようとした。
「…!ちょ…蛍ちゃん…まっt(ドサッ)……」
だけど体重がかかり私は背中から倒れてしまった。
そして蛍ちゃんも一緒に倒れてきて…
たまたま
唇が重なった。
「!!?////」
いや…
蛍ちゃんは"たまたま"
じゃなかったかもしれない。
そっと唇を話した蛍ちゃんが言う。
蛍「僕の好きなのは朱鳥だよ」
私は一気に顔が熱くなってテンパった。
「//!!で…でも……。」
蛍ちゃんは平然と答える。
蛍「兄妹だからって好きになっちゃいけないの?」
「だ…だって……//」
蛍「叶わない恋でも好きになったんだからしょうがないでしょ?」
蛍ちゃんはそっと私の上から避けた。
ゆっくり起きた私は蛍ちゃんを見ることができなかった。
「……。ごめん…。部屋戻る…。数字…今日はいいや…。」
勉強道具を持って蛍ちゃんの部屋を出て自分の部屋に駆け込む。
バタンとドアを閉めて座り込んだ。
「……蛍ちゃんが私を……?なんで?……余計わかなくなっちゃったよ…。」