第10章 兄と妹と幼馴染み 〈月島蛍/影山飛雄〉
そのあと
私はベッドの中に潜った。
今日のことが全部夢だったらいいのに。
そしたらこんなに胸が苦しくなることも無かったし
こんなに涙が溢れることもなかったのに…。
早く寝て忘れてしまいたい。
だけど一日に二人から告白されて眠れなかった。
暑くなってベッドから顔を出す。
スタンドランプつける。
暗い部屋を眩しく照らした。
次第に目が慣れ目についたのは本棚にしまってあるアルバム。
そう。蛍ちゃんと飛雄くんと私の三人で過ごしてきた思い出のアルバム。
私はベッドから出てアルバムを手に取り開いた。
小さい頃から
小学校・中学校・そして今に至るまでの写真がいっぱい貼ってある。
アルバムを見ていると同時に記憶もよみがえってきた。
いろいろあったけどすごく楽しかった。
ずっとこれからもこのままだと思っていた。
「……。どっちかを選べばもう…今までのようには戻れないのかな……。でもきっと…どっちも選ばなかったとしても戻れない……。」
そう思ったらまた涙が溢れアルバムに落ちる。
涙を拭きながらページをめくった。
すると…
めくり続けて少しずつ気持ちの整理がついてきた。
私は二人とも好き。
だけど…
だけど………私が……
私が本当に好きなのは――――。